オペ室看護師にとってチーム医療は日常であり、その一員としての役割は非常に重要です。手術の成功には、医師や麻酔科医をはじめとする多職種に加え、オペ室看護師の連携が不可欠だからです。
特に高度な集中力と緊張感が求められる手術現場では、チーム医療の看護師にしかできない役目を理解したうえで振る舞う必要があります。
オペ室看護師の最も大切な役割の一つが、患者さんの代弁です。手術中の患者さんは、意識がないか、あっても発言が難しい状態にあります。
そのため、オペ室看護師は術前から得た情報や、術中の患者さんのバイタルサイン、皮膚の状態などから、身体的・精神的な状態を常に把握してチームメンバーに伝える責任があります。たとえば、体位や室温調整など、患者さんの安全を守るために、積極的に意見を出すことが求められます。

次に、手術室内の円滑なコミュニケーションを支える仲介役としての役割もあります。手術中は緊張感が高まり、医師や麻酔科医などの専門スタッフが自身の役目に集中することで、情報共有が滞りがちになることがあります。
オペ室看護師は、主に補佐役で全体を見渡す客観的なポジションにいるため、各専門職間の情報をつなぎ、必要な物品やタイミングを調整しなければなりません。この仲介役としての動きが、手術室のチームワークを支える鍵となります。
そして、安全を守るためのフォローも欠かせません。オペ室看護師は、医師が手術に集中できるよう、物品の準備や点検、清潔野の管理などを行います。手術という極度の緊張状態の中で、誰かが小さなミスを見逃しそうになったとき、それを指摘し、安全を確保する最後の砦となるのもオペ室看護師です。お互いの業務を補い合い、声をかけあって確認し合う意識を持つことが、安全性の確保につながります。